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血が繋がっていなくても

「家族」この言葉に、どんな気持ちを抱けばいいのだろうか。私の家族は周りから見ればきっと普通の家族。

両親もいて、祖父は生まれた時からいないが、祖母もいる。家もある。普通の家族というのは、ありがたい事で、感謝すべき事。それに気づかなければならない。そうこれまで生きてきた中で教わってきた。

だけど私は家が嫌い。わがままな考えだってことは分かってる。

家にいても、心が家に帰れないのだ。まだ帰っていないし、家にもいないから「いってきます」も「ただいま」も、意味を持たない単語となって言う意味もなくなった。

「今日はどうやった?」なんて言葉は本当に聞きたくない台詞の一つ。言葉を発すれば、発した言葉の先を受け取られ、返ってくる。会話はいつも一マス、二マス飛ばし。悩みなんて話したら、悩みが倍になって後退り。

私の話なんて聞いていない。みんな自分を立てたいのだ。私の話を踏み台にして。

話せば話すほど、私の存在は薄れ消えて小さい箱に閉じ込められる。上手く扱えるようになったら思う壺。

この家に私はいない。ずっと、ずっといない。

「血が繋がっていなくても、家族になれるよ!」そう言ったのは春花ちゃん。友達でもあり仲間でもある。私は友達や仲間にどこまで心の内を話していいのか分からなくなっていた。どこかでいい子であろうとしている。いい子というのは、愚痴を言わない、ネガティブなことを言わない子。